第64話『自己啓発本には書かれてない、マルチタスク仕事術(後編)』
おはようございます、トラです。
今回は前回の続きです。
- やりたくない仕事は、簡単にやる癖をつけろ。
- 仕事を加工して自分の持って帰れるものに作り変えろ。
- 持って帰ったものを、どうアウトプットするのか意識しろ。
前回は3つのポイントの中から最初の1つ目、「やりたくない仕事は、簡単にやる癖をつけろ。」で時間切れとなりました。
今回は残り2つのポイントについての話です。(フランケンラジオ第64話より)
仕事を加工して自分の持って帰れるものに作り替えろ
少し脇道から入っていきましょうかね。
あなたが何かの仕事か、道楽の活動で、欲しいものや必要なものがあるとしましょう。 これを部品Aとしましょうか。
この部品Aっていうのは、物理的な物でもいいし、人材とかコネクションでも何でもいいです。
仕事でそのAを正規ルートで手に入れようとするならば、何らかのリソースやエクスキューズが必要になるはずです。
大概ストレートに攻めても仕事ではAを手に入れる要求を通すことはできない。
新しい何かを手に入れるってことは、プロジェクトを立ち上げることと同義なんだから、ホイホイ出来るような立場なら苦労は無いって話ですよね。
じゃあ個人で手に入れるかってなると、これもまた厳しい。
そんな時に、あなたが欲しいAが何なのかをよく考える。
何に使えるものなのか、何を作る時に使うものなのか、誰が使うものなのか、その辺を分解して徹底的に考える。
そしたら、自分が関係している仕事で、そのAを扱う可能性がないかを考える。
緩い引っ掛かりでもいいから、何かの形で関連づけることはできないかと考えて、持っているタスクを何とかAを利用したものに作り変えていく。
その時にモノを言うのが昨日言っていたエフォートを残す考え方。
ほとんどの場合、エフォートを倹約すると、タスクを処理するのに必要なリソースも節約される。
仕事っていうのは、それをやるために何らかのリソースを解放されているわけだから,この本当は使っても文句を言われないけど余しているリソースを使って、作り変えたタスク、つまりAを含んだタスクを処理していく。
ここでは、Aがあってもなくてもこのタスクは処理してしまえるというのがミソ。
仕事をデザインする側の人間は、過剰なリソースを設定しない。
この限られたリソースで十分出来るでしょう、と言って仕事を降ろしてくる。
降ろされた方がリソースをあますと、返せ、と言われる。足りずに追加のリソースを要求すると、無能だと思われる。
その代わり、タスクが処理されていればリソースを使い切っても何も言われない。そこに余剰のAが紛れ込んでいても何とも思わない。
あなたは今後、ノーリスクノーコストで手に入れたAを使ったプロジェクトを立ち上げることもできるようになる。
具体例を挙げるのは難しいんです。
というか、ありとあらゆるものがこの方法で調達できる。ソフトだろうがハードだろうが、人材獲得でも応用できる。
このメソッドをうまく回すコツは、とにかくマルチタスクに慣れることと、物事の要素の分解と関連付けに精通することだ。
一言で言うと応用力っていうつまんない単語になるのかも知れない。でも、この能力は立場や身分が低いほど有効な武器になる。
海苔をチギレって言われたら、手でちぎってないでハサミを手に入れろ。届け物をするなら、帰りは仕入れをして来い。写真を撮るならiPadで撮れ。
ずらせるものはずらしてしまう。
そして、最大のポイントはあなたが持って帰れる何か、さっきで言えばAと言うのを本来のタスクの評価軸に載せないことだ。同一の評価軸にあるものは、成果物として取り上げられる。
同じ評価軸っていうのは、百点満点の評価系に、合格ラインの61点,65点っていうような感覚です。
このあなたが持ってきたAというのがこの評価系でいうところの10点だね、と思われるようなものなら、あなたの得点は61点ではなく、71点とみなされ、Aは取り上げられてしまいますよってことね。
何にも残らない。だからなるべく、使えるけど全然成果と関係ない価値観で繋いでやる必要がある。
あなたの点数は、61A。
評価する方は、このAって何?って一瞬思うけど、とりあえず61点の成果としてこのタスク終了を受け取っちゃう。
リソースもオーバーしてないし。みんなそんなに暇じゃないんですよ。
持って帰ったものを、どうアウトプットするのか意識しろ
色々な案件に絡むと、どこの組織も結構貴重な財産を、評価のできないAとかEとかいう形で腐らせてる。
なんかね、こういう事ばっかりやってると、よく見えてくるんですよ。
そのうち、あそこはきっとVって文字を腐らせてるぞ、っていうのとか。
ここはLっていう文字を導入するようなコラボを組めるぞ、みたいな感じでコネクションと引き出しを増やしていって、
途中からは大きなフレームを意識してパーツを集めていって、あとはUだ、どこかにUないか、みたいに狙って繋いでいく。
で、ここぞというタイミングが来たら、VとかAとか、LとかU、Eなんかをかき集めて、VALUEに変換して見せる。
コラボレーションのハブなんかをやっているとこの瞬間が最高に楽しいです。
いや、これは僕の趣味を話す回じゃなかったですね。
でもね、この61Aっていうエキストラな価値をマネジメントできるようになると、仕事にまつわるいろんなものが見えてくるようになるんですよ。
仕事ってやつのフレームをデザインする人間の斜め上を狙いましょう。
一度気づけば、案件が大きければ大きいほどこの変な価値観を紛れ込めせるチャンスは大きくなります。
仕事は自分でデザインする。
どんな仕事も、やり始めっていうのはやらされ仕事で、タスク100%でくだらないんですよ。
このタスクに一生懸命になる行為っていうのは、実は気持ちいいんですよ。
何でかっていうと、簡単です、僕らは子供の頃から大人になるまで、ずっと誰かの言うことをきちんと聞いたら褒めてもらえるっていう価値観で生きて来たからですよ。
でもね、世の中のものは、必ずしも100点なんて要求してない、回ればいいっていう程度の価値観でデザインされた仕事でできてるんですよ。
雇用を創出するために作られた、ケインズ的に言えば穴掘りみたいな仕事ばっかりなんです。100点なんてものはオーバーエフォートで、評価の俎上にも乗りゃしないんです。
だから、仕事は自分でデザインするんです。
仕事を自分でデザインする能力っていうのは、イニシアチブを持つ人間が最も評価する能力なんですよ。
なぜかっていうと、仕事をデザインできるっていう部下は、上司を楽にするからですね。
楽にするっていうのは、代わりに仕事をやってくれるって意味じゃないですよ。そんなのは100点目指してる犬コロみたいな部下に丸めて投げときゃいいってことなんですから。
人を使う立場にいる人の仕事っていうのはね、極論するとクリエイティビティをルーチンとしてやるってことなんですよ。
そういう人間が最も部下に期待する能力っていうのが、ゼロから1を生む能力なんです。
イチを生んでくれさえすれば、あとはおじさんがテクニックで10にでも100にでもしてあげる。
余剰ゼロと見積もってデザインされた仕事の中から、余剰を創出して価値に変換できる。
しかもその価値を属人的に自分に帰属させ、自分だけの武器として保有できる。そんな部下を見出したら、おじさんとしては大喜びですよ。
3つのポイントで得られる成果をアピール、錯覚資産を貯めよう。
なんか話があっちに行っちゃいそうなので本題に引き戻しときましょうか。
この2回でした話っていうのは、一言で言うと仕事に対するスタンスでしょうか。
自己啓発本を読むのも大いに結構。
でも、自分に向けて発せられたメッセージなのかどうかはしっかり吟味しないと、ノウハウ本をファンタジーとして読むことになっちゃう。
うっとりするかもしれないけど、ノウハウは娯楽として楽しんじゃダメです。時間の無駄ですよ。
そんな意味で僕がオススメするスタンスっていうのが3つ。
- やりたくない仕事は、簡単にやる癖をつけろ。
- 仕事を加工して自分の持って帰れるものに作り変えろ。
- 持って帰ったものを、どうアウトプットするのか意識しろ。
これを意識しましょう。
裁量のあるポジションにいる人はこのキーワードだけで食っていけます。
末端にいる人は、このキーワードで得られる成果を、自分を評価する立場の人物にアピールしてください。
錯覚資産を溜め込んでジャンプアップしてください。
1つずつ反芻・実践しないと理解できないだろう。
力不足です。。。
今回の話を聞いて、2つ目のポイントである「仕事を加工する」の部分が最初よく分かりませんでした。
「ついでにこれも欲しいんですけど」って、真正面から行ってAを手に入れることは出来ないし、リソースは当然限られている。
ここで仕事を簡単にやる癖をつけてリソースを余らせ、異なる評価軸に欲しい物「A」をずらして配置、成果が「61A」となるよう関連付けはしっかり行う。
これを自分の仕事で実践しようと思うと結構難しいですね。
マルチタスクに慣れ、要素の分解と関連付けに精通し、評価軸を理解してあえてずらす。
3つ目のポイントは、1つ目と2つ目のポイントが実践できて初めてできることなので、今の僕にはハードルが高い。
言っていることは分かるけど、自分の経験と照らし合わせて「腑に落ち」ませんでした。
この2回の話を踏まえて、早速明日から誰が見てもどうでもいい仕事は、合格点ギリギリで余力を残して完了できるようにしたいと思います!