第46話『仕事を分解しましょう』
こんにちは、トラです。
他人に仕事を任せるのは、色々教えたり説明する時間が発生するから面倒だ。
それなら自分が全部やってしまおう。
そんな考え方をする人、多いですよね。
専門領域や周囲の同僚が持っていないスキルを持っている人が誰でもできるような簡単な作業を率先して大量にやっている、なんてこともよくある話だと思います。
今回紹介するのはそんな仕事のタスク分解についての回、第46話『仕事を分解しましょう』です。
フランケンさんTwitter(@BlackSheep8270)
フランケンラジオ第46話文字起こし
こんにちは、フランケンの通勤ラジオです。
このラジオは、通勤途中に僕がいろんなことを吹き込んで、あとで聞いて楽しむっていう個人的なラジオですよ。
今日はですね、ちょっと初の試みで、通勤中に録音をしています。
イタリアの田舎町での収録、日本が一人もいないはずだった。
周りがうるさいでしょう。これ歩きながら録っているんですよ。
なんでこんなことが可能かっていうと、日本人が一人もいないので、全然話しながら歩いても大丈夫だからです。
ここはイタリアのとある田舎町で、イタリアの田舎の方の人って、歩きながらみんな独り言喋っているんですよ。ですから、この僕が今歩きながら喋っているっていう状態があんまり目立たない、ちょっと不思議な町に来ています。
一回切ります。
はいそれで、今日は何の話をしましょうか?
完全に歩きながら録っているので、少しとっ散らかった雰囲気になると思うんですけども。そうですね、今日は今取り掛かっている仕事の話でちょっと面白い話があったので、それやっときましょうかね。
ニーズがあるかどうか分かんないですけれども、前にやってちょっと反響があったのが、「努力に逃げる」っていう話ですよ。
「努力に逃げる」って何?ていうと、仕事が大変になってきて手に負えなくなった時に、頑張ってクリアする癖をつけると、ビジネスサイズがでかくなった時に、もうどっちにも行けなくなるよって話ですよ。
今ですね、なんかちょっと録音モニャモニャとなっちゃったのは、何が起こったんだっていうと、ここイタリアの田舎の町で、人口が多分2~3万ぐらいの雰囲気の小さな街なんだけれど、そこでねあのまさか知り合いに声かけられるという恥ずかしいことをやりましたよ。この独り言を言いながらブツブツ歩いてる時に。「何を喋ってるの?」みたいな話で、「電話してんの?そうなんだ」みたいな、そんなことあるんですね。
こんな地球の裏側に来て変な話ですよ。
頑張ってクリアする(努力に逃げる)癖をつけると、苦しむ時が来る。
えーと、何の話だったっけ。
それでですね、頑張ってクリアするっていう癖をつけると、事業規模がでかくなった時に首が回らなくなるよって話ですよね。
今ちょうどそこがホットな労働集約型で立ち上げたプロジェクトを一つ抱えています。
要は労働集約っていうのは「人」ですよね、そこの「人」のスキルでなんとか商品を出してっていうサービスが、ウケてでかくなっていった時に、「人」が足りない。
それも、特殊な技能を持った人をいっぱい集めないとその受注数に追いつかない。
みたいな問題が起こった時にどうするかっていうのを、今やっているって話です。
仕事を分解して、工程を難易度で切り分ける。
それでまぁ結局何がしたいかっていうと。
今まで一人が1の仕事をやっていた、2になった時に頑張ってそれを一人で2やる。
10になったら、それ三人で3ずつやる、みたいな。
それが100になっちゃったら、もうどうにもなんない。
こうなった時にやらなきゃいけないのは、この1っていう仕事を分解して、誰でもできる仕事をここから切り取っていくって話になってくるんですよ。
1だと分かりにくいか?その一つの仕事が、例えば10の工程でできている時に、今までテクニシャンがその10を全部やっていたとします。
仕事が2件になったら工数20ですよね。それでも気合い入れてやるって話になっていたわけですけれど、1って仕事を工数(工程)10に分けて丁寧に分解していくと、どうやら、ズブの素人が3ぐらいまではできる。
そして残り7のうち、5ぐらいはちょっと訓練した人ならできる。
そうすると本当にテクニシャンがやらなきゃいけない事っていうのは10という工数のうち、「2」しかなかった。途中に挟まっている「2」だけ。
これをテクニシャンが専任でやれば、一つの仕事に今まで工数を10かけていたのが2で済むっていうことが分かった。
「素人」に簡単な仕事を流すことで、テクニシャン(リソース)を増やさないで事業拡大できる。
そうなると、本当に「ズブの素人」っていうのと、「中ぐらいにトレーニングされた労働力」っていうのと、「テクニシャン」という三階層を用意することで、この仕事を回していけるって話になりますよね。
テクニシャン以外の人達の教育コスト、リクルーティングコストって海外の場合だったらそんなにかからない。
そうなってくると、比較的簡単で流動性のある仕事をしてくれる人たちにそういうところを開放して、今まで非常に忙しくしていた人たちの仕事を1件あたり10から2に減らしてあげれば、5倍(5件)まで増やしても今と同じ仕事の分量になっている。
そういうことを徹底的にやっていけば、リソース、育成不可能なテクニシャンというのを増やさないで事業規模拡大できますよねっていう話です。
これって、すごく当たり前の話に聞こえるけれども、実際にこれをやろうとするのって、すごく大変ですよ。
これはもう事業をプロモートする側が結構しっかりした意識を持っていないと話が進まないので、トップダウンの案件になってくるよって話ですよね。
まあこういう風な形で仕事を分解して、できる仕事とやんなきゃいけない仕事っていうのを小さく、1人当たりにかかるウエイトを小さく細分化していくというのは、よくやるテクニックですね。
個人レベルでの、「仕事を分解する」考え方の応用
なんじゃらほいって話ですけれども、こういった考え方を日々の仕事に当てはめよう、個人レベルに還元しようっていう風に考える。
大体みんな社会人って多かれ少なかれ何かに挟まっているんですよ。
上には上がいて下には部下がいて、みたいなスタンスで働いている人って多いじゃないですか。自分にかかっているタスクっていうのを今みたいに分解して、全部を自分がやらない。自分よりスキルを持った人の方がササッと済ませられる、みたいなやつを仕事の内から割って、上に上げる。
逆に、自分じゃなくてもできる仕事っていうのは、割って下に降ろす。
そういう風にやると、コアのスキルを活かした仕事をちょっとやるだけで、その仕事の総量は変わらないという形になってきます。
そうすると、今までに一の案件に自分が10入れていたのが、1つ2つくらいのエフォートを入れるだけでも仕事がまわるって話になっていくんですよ。
ねれって日々の仕事にも応用が効くので、特にそういうことをやっていると、下が育つスピードが上がるんですよ。
最近の組織は、面倒だけど強化に必要な「教育」をどうしているのか?
だいたいね、下に仕事を回さない一番の理由って、教育が面倒くさいからなんですよ。
3つある仕事のうちの1を丸ごとドンと渡して、10の工程で出来ているその1の仕事を、ズブの素人みたいな人ができるようになるほど面倒も見る。
そっちの方が大変だから、もう代わりに自分でやっちゃうみたいなことってよくあるでしょう。
そういう風にするとなかなか下が育ってこないので、まあ一番簡単なのはあのできる部分だけ降ろして、やってもらうっていうことですよね。
でもってその中から、できるようになったことだけ仕事として切り取って下に降ろしていくっていうことをやると、徐々に切り取って下に降ろした仕事をやっている中から、次のリーダーになるような者ってピックアップできますから。
そういうのもピックアップして組織を強くしていく、みたいなことを延々とやっていくのが最近の組織のあり方ですかね。
今何の話しているんだって話だったんですけど、今日の教訓はですね、思ったことをカッコよく喋ろうとしても、歩きながら人ごみの中ではカッコいい話はできないっていうことです。
もう二度とやりません、すいませんでした。
おまけ(仕事の分解とは関係ありません)
ちょっと最後にくっつけます。
這々の体で帰ってきて、ちょっと次の仕事まで時間があるからホテルに戻って着替えでもするかと思っていたんですが。
また得意のベッドメイキングに引っかかりまして。
おばちゃんがいるのね。ガチのイタリア人のおばちゃんがベッドメイキングしてるじゃないですか。英語が一言も通じないですよ、「30分でまた出て行くから」って言っても、わけわかんないみたいなことで困ったなと思っていました、こっちも着替えなきゃいけないし。
そんな時にね、ポケットにポケトーク君があったんですよ。ちょっと勇気を振り絞って使ってみた。英語じゃなくてイタリア語っていうやつにして、喋ってみた。そしたらですね、通じないんですよ。「ポケトーク全然ダメじゃん!」と諦めかけた時に、ハッと思って、「お前はイタリア人か?」って聞いたら「スパニッシュだ」って言ったので、スペイン語のボタン押してみたら通じました。ポケトーク凄いですね。
「30分たったら着替えて出てくるのでちょっと席を外してくれ」って言ったら、
「 OK、OK 」ってスペイン語で言って出ていきましたよ。
今部屋中ぐちゃぐちゃです。椅子に布団とか積み上がっていて、彼女出ていきましたけどね。これまたね、「ここはイタリアだな」と思いました。
じゃあごちそうさまです。
自分のレベル、周囲のレベルをきちんと理解して仕事を組み立てられう人は少ない。
再びトラです。
今回の話を聞く限りは、仕事の分解、タスクの適切な割り振りなんて当たり前のことだと思う人もいるかもしれません。
でも、これができる人・職場は多くないと思います。
冒頭にも書きましたが、他人に仕事を振るくらいなら自分でやったほうが良いという思い込みを持っている人がまず多い。そして、自分が何を得意としていて、周囲の人間が何を得意としているのか、そのレベルを理解している人はさらに多い、と私は考えています。
今回の話の要旨は、note記事にかかれている紹介文(下に引用)が全てだと思います。
仕事はタスクを丁寧に分解しましょう。
10の工程を必要とする仕事を上級エンジニアが2つ受けると、一人の工程数は20。
5つ受けると50。パンク。
10の工程のうち、バイトが5できる、中級エンジニアが3できる。そうすると、上級エンジニアがやる仕事は一つ当たり2行程しかない。
10のエフォートで5つの仕事ができるようになる。当たり前だけど、これができない職場は多いですね。