第182話『その「コツコツ」は、誰の仕事?』
こんにちは、トラです。
今回はフランケンラジオ第182話「年賀状」を紹介します。
「コツコツやること」 を論じた第182話
この話は正月3が日に収録したのでしょう。 「あけましておめでとうございます」から本編は始まります。
みみっちいことをケチる(やらない)こと、いらないものはいらないと言えるかが大事だ。
細かいことを気にしない金持ちに会ったことないし、そのお金持ちはお金もたくさん使うけど無駄なものにはお金を使わないとのこと。
盛大な自己弁護を前置きにして、年賀状の話が始まります。
年賀状の話を起点に、今回フランケンさんが論じたことは主に3つ。
- コツコツやるスタンスって大事な価値観だけど、バリューの積上下になっているか見定めないといけない。
- ただのクソ仕事や、他人の負債の返済に、自分の金と時間を奪われないこと。
- どうしても避けられないクソ仕事はコツコツやってはいけない。 ひとまとめに集約して、効率的にバサッと片付けてしまう。
この点に注意して、本編を聴いていただければと思います。
それでは本編の文字起こしです。
フランケンラジオ第182話の文字起こし
細かいことを気にしない金持ちに会ったことがない。
新年あけましておめでとうございます。フランケンの略働入門ラジオです。
あけましておめでとうって言いましたね。だから今ね、正月ですよ。 でもこれ上がることはあるのでしょうか。あるいはこれどうしましょうかね。いつ上がるでしょうかね、夏とかだったらびっくりしますよね。
今日はですね、ケチな話ししますよ。みみっちい事をケチる話です。
でも本当みみっちいことをケチったり、いらないものはいらないって言ったりってね、僕このスタンスって割と大事だと思います。
なんかね、本当の金持ちは細かいこと気にしないとかって言ってくれる人いますけれども大丈夫ですかね、その考え方で。
僕ね、細かいことは気にしない金持ちって奴に会ったことないですよ。で、お金持ちの人って使う金額が大きかったりしますよ。でもね、無駄だよなって思うようなことに金や時間使っている印象はないですよ。
そんな感じで自己弁護した上で、盛大にみみっちい話をして行きますよ。
年賀状に使うエネルギーがもったいない。
今日は年賀状の話です。 これ本当にいつアップされるかね、次の正月だったらびっくりですよね。今日はなんで年賀状に引っかかっちゃったかって言うと、ちょっと「アレ」な広告にぶち当たったからです。
Webベースの年賀状印刷サービスの広告ですが、その中に出てきて謳い文句曰く。
「年賀状を出すと年収が上がる」
きたきた!これだそうですよ。本当もどこから突っ込んでいいかわかんない。
でもって根拠は、『年賀状を出す習慣のあるグループと出さない習慣のグループで年収の開きが百万程度ある』だからだそうです。
はい、もう盛大に突っ込んでくれていると思いますが、こんな要旨の論文を送ってきたら、もう一発アウトですよ。これがどう間違っているかの誤謬の話はもういいですよね、長くなるから。 でプリントサービスがこう言って金を馬鹿どもから毟り取ろうとしているのは、もう本当に見ていて痛々しいですね。
前にも話したことあると思いますが、僕はもう何年も年賀状書いていません。全く。
でも、年賀状出さないことで困ったことは全くないですよ。
仕事上の付き合いは100%いりませんよね。 個人的な住所のやり取りをする仕事相手っています? 実際仕事の同僚ぐらいですよ、そんなのは。
仕事の同僚にいります?年賀状。
親戚・友人年賀状無いと不便ありますかね?
年に1回のやり取りを、しなくていいです。 普段からしないのであれば、死んでいるのと一緒ですよ。
年賀状に使うエネルギーもったいない。時間も金も勿体ない。 「年賀状100枚出しました」って、そうですか。 そんな100枚にどれぐらい時間をかけちゃいました? どんなに効率的にやっても、2~3時間かかっちゃったでしょ。 それでこれを例えば土曜日の午前中とかにやっちゃったら、目も当てられないですよね。
自分の金と時間を無駄に使うことに問題意識を持たない人たち
世間体にこんな時間や金を払うくらいだったら、寝ていたほうがマシ。 仕事に使うなら、それこそ博多に行けますよ。2~3時間あったら。
時給の人達って2~3時間バイトしたらいくらになるとかって想像したら、あれっ?て言うじゃないでしょうか。この時間ってなんなのだろうって。 「2時間バイトなんて、何をみみっちいことを言っているのだろう」 みたいなことを言ってくる人がまだいるかもしれません。
でも色々付き合ってみて思うのは、この辺のみみっちいことに問題意識ない人って、みみっちい事を山ほど抱えています。年賀状以外にも。
自分の金と時間の、かなりの部分をみみっちい事に使っちゃっていますよ。なおかつこの辺のみみっちいことをひとまとまりにして集約する能力っていうのが極端に低いですよね。
何回か前のコンテンツで、細切れの時間を合わせて一つのまとまった時間にする能力がないと、人生まるまる無駄になるみたいな話をしたけど、まぁそういう話ですよ。
何て言うのでしょうか、このね、みみっちいことを集約する能力が極端に低い人って、普段こんなことをやっています。 例えば、風呂の水を隣の家の風呂に移せとか言われたら、律儀にコップにひとすくいしてトコトコ歩いて持ってくるみたいなことをやります。
無駄じゃないかって突っ込んだら、「そんなのさ、となりに行く時にコップにねちょっと持っていくだけじゃん。そんなケチなこと言うなよ」とかって言う。 あるいは毎日やっていれば、そのうち終わるとかって言っちゃうタイプですよね。
細切れの時間とクソ仕事をひとまとめに集約する能力を持っているか
確かにこのタイプの人ってコップを持ってくという無駄仕事を、ひとまとめに集約させる能力があんまりないから、コップを持って行かないことで得るもの、なんていうのは確かにないですよ。 だからその人にとっては、持っていけばいいじゃん、って話になっちゃう。
でもコップを持っていくという無駄仕事をひとまとめに集約させる能力があれば、じゃあ持って行かないって話をして、集約させた時間や労力っていうのを他に使えるようになるんですよ。
ですからやっぱり、何か糞仕事みたいなのをその集約してひとまとめにする能力は大事だと思います。みみっちい行動に問題意識持つ人って、こういう無駄金溜まってくることに我慢できない。
僕は見ていて、そういう人が多いと思います。
そしてやらなくていい事っていうのはやらないって言います。 やんなきゃいけないんだったら、まとめちゃう。 バサッと終わらせることを考える。コツコツやらないんですよ。まとめてやっちゃうんですよね。
例えばさっきのお風呂の水の話だったら、やらなくていいと思ったら、そもそも風呂の水を持って行かなくてもいいよねって説得しにかかる。
持って行かなくてもいいっていう話をするんだったら、向こうの風呂に新しい水を張るっていうのでもよければわざわざ持ってかなくてもいいよねって。向こうの水道を使った水道代は持つよって言って水道代はねどっかから安く持ってくるね。
世の中にはいろんな仕事あって、実はコツコツ運ぶっていうのが仕事の要件であって、運ぶのは水じゃなくてもいいんだよって、「コツコツやってる」これが大事なんだよっていうことだってあるんですよ、実はね。
「無駄に見えることにも意味はある」一見正しく感じる言葉の罠
なんの話をしているかわかんないけど、ピンとくる人はピンと来てください。 そうなってくると、じゃあ運ぶのは水じゃなくて、なにかの商品でもいいよねっていうような返しの仕方だって出てきますよね。
要は工夫しろという話です。年賀状の話になると、僕は少なくともこの労力に意味があるとは全く思えないので、この場合は「やらない」っていうことを選んだっていうことになりますよね。
これをやる代わりにやるべき事なんて今山ほどあるから、まあやらないってことになるんだね。ちなみにこういう反道徳的だったり、反慣習的なことを言うと、「世の中には一見無駄に見えることにも、意味があることもあるんだよ」とか、「地道な仕事でコツコツやることは信用の蓄積につながる」とか講釈を垂れる、こういう人がね後を絶ちません。
社会人になりたての頃っていうのは、周りの人たちが全員説教垂れる類の人たちだったんですよ、今はだいぶ減ったけど。 仰る意味は分かりますよ、でも本当に一見無駄でも意味あること、一見無駄でも意味があることだったり、続ける意味がどっかで回収できるっていうことだったら僕だって止めたりしないですよ。また別のやり方でエネルギーを割かずにやるでしょうね。
でもやっぱり意味がないと思ったら、ますパッとやめちゃうってことになりますね。
コツコツ何かをやることの価値観っていうの、これ僕否定するつもりはないんですわね。むしろコツコツ積み上げることの大事さについては、ボケッとルーチンワークを一生続ける連中よりも、僕はよっぽど自覚があるんですよ。
僕のサブスペシャリティなんか、ほとんど地道コツコツで積み上げたもので成り立っていますから。地道コツコツっていうのは、絶対必要だし大事な価値観なんですよ。
自分のバリューを積み上げるのであれば、コツコツやるべき。
積むって決めたら、積み方が違うんですよ、適当に積んでいる人と。
でも世の中のコツコツ至上主義の皆様って、コツコツやる姿勢を賛美するだけで、何のためにするのかとか何を積むのかとかどうやって積むのか、いつまでにどれだけ積めばいいのかって言う戦略については無関心なことが多いですよね。
とにかくやると、コツコツやると、コツコツやっている姿を見せろ、その姿を見せて頑張ってるねって満足したいっていう人が多いんですよ。
そういう指導者が作った組織にコンサルとかで入ると、もうみんなでコツコツやってるんですよ。すげえコツコツ熱心にやってるんですよ。
君は何をやっているの?
ペットボトルの水を、右から左に移し替えています
なるほど、移し替えていたんだ。移し替えたらどうなるの?
じゃあ、今度は左から右にもう1回移し替えます
なるほど。これを今までやっていたんだ?
はい。もう10年やっています。
目をつぶっても出来ます!目つぶってこれできるのは僕だけです!
「すごい、すごいね。…………すごいバカだね」と思うんですけどね。
慣習を守ったり、コツコツと積み上げる価値観が強いっていうのは場合によりけりなんですよね。 自分のバリューを積み上げるのは、それはもうコツコツとやるべきなんですよ。
でも、何も積み上がってないこともあるんですよ、コツコツやってるだけで。
そこは見定めないと駄目です。自分がコツコツ「何を」やっているのか。
たまに騙されて、しれっと他人が作った「仕事の顔つきした負債」を、コツコツと返しているっていう人もいるんですよ。呆れて物も言えないですよね。
ちなみに負債を返済するんだったら、コツコツやってちゃ時間と金の無駄ですよ。 負債が分割できいてる時点で、複利計算で何かが発生しちゃってるから。 割った時点で余計な複利の金利がついているはずなんですよ。
ですから、返済をするならコツコツやらないでバサッと一息にって、これ別の話になっちゃうからいいですか。
今日のまとめ
じゃあ今日のまとめに行きましょうか。
皆さんもバリューの構築だと思って、コツコツやってる何かあるよね。
ルーチンに組み込んじゃってる何か、これらが本当にねバリューの積み上げなのか負債の返済になっちゃってんのかっていうのは、定期的にチェックをつけてくださいよと思うんですよね。
そしてこれは意味がないなと思ったら、迷わず損切りですね。 切ってしまえないのだったら、分割にしないで集約してひとまとめにしてザバッと完済しましょう。
それが出来ない人っていうのは、他人に時間とお金を生涯吸い取られると思うんですよ。重ねて言いますが、どんな汚れ仕事でも誰かがちゃんと見て評価してくれるって言うね、あのそういう戯れ言ってあるんですよね、それを鵜呑みにしないでくださいよ。
これね、自分がそう決めて、どんな汚れ仕事も誰かが評価してくれているはずだっていう美学で、あなたが自発的に頑張るって言うんだったらそれはいいんですよ。尊いですよ。 それに僕はケチをつけません。
「辛いです、でも誰かが見てくれている。だからお前がやれ」っていう風にあなたに言ってくる奴っていうのがいたら、やる前にそいつの目をジッとで見返してやるべきだと思いますよ。多分そいつ目を逸らすでしょうね。
この話をあれですわ、あの立派な便器はねあの便器ですよ、立派な便器ってやつはそのうち高級な食器に昇格するかっていう、絶望的な切り口で「第153話」でやってまとめたことがありますね。合わせて聞いてみてください。長くやっていると、こういう時便利ですよね。
今日は年賀状を書くの、面倒くさいからやめたって話をね、ちょっといい話にしようとやってみたんですけども、いい話にならなかった。
でも無駄なことは無駄だってね決めるっていうのと、無駄じゃないんだったら無駄じゃないなりに集約して、バサッと決める。
コツコツいいけれど、コツコツ何をやっているのかっていうのは、自覚してやってかないと足元というか土台が崩れるっていうのを、自覚しなさいよっていうお話でした。
そんな感じで、これをあげるのはきっと来年の正月になると思いまーす。
なぜ、コツコツやってバリューを構築するのか?
今回のフランケンラジオでは「コツコツやる」価値観についてのお話でした。
本編では主に無駄を省いたり、自分がやっていることを見定めることの重要性にフォーカスされていましたが、なぜコツコツやる必要があるのか?について少し考えてみました。
コツコツやらないと、バリューは積み上がらない。
バリューが積み上がらないと、スペシャリティ(専門性)は身につかない。
スペシャリティが身についていないと、キャリアやビジネスで高い成果を出すことは出来ない。
結局のところ、ビジネスで成功したり、自分が理想とする自分になるには、コツコツやらないと駄目なのでしょう。